■過労死疑惑の子会社ついに解散へ〜子会社に振り回される日本ロジテム、業績不振を理由に解散決議 トラック運送事業者の業界団体である全日本トラック協会(中西英一郎会長)の会長事業者だけでなく、東京都トラック協会(同会長)をはじめとする多くの業界団体に君臨する、ジャスダック上場企業の日本ロジテム梶i中西弘毅社長、東京都港区)で問題視されてきた子会社が、ついに解散へと追い込まれることとなった。同社は子会社である潟Zイモス情報研究所(辻範夫社長、同)の解散を、このほど開いた取締役会で決議した。この子会社では一昨年、残業手当や休日手当などを支払わないまま連日、長時間にわたり拘束していた社員が過労を原因に自殺するという悲惨な事件(既報)が発生するなど、管轄の労働監督基準局から厳しくマークされてきた企業で、著しい売上減を理由に日本ロジテムが見切った格好となった。今年2月には別の子会社で巨額の不正経理事件が発覚したばかりの同社だが、相次ぐ子会社の話題で同社の評判は下がる一方のようだ。 今回、取締役会で正式に解散することが決議されたセイモス社は、日本ロジテムが筆頭株主(80.35%)となる非連結子会社。電子計算機のソフトウェアの研究開発をするために、昭和52年1月に設立された同社は、28年の歳月を経て解散することとなった。 解散の理由について、日本ロジテムでは「コンピューターによる情報処理業務の拡充を目的として資本参加して当社の関係会社としたが、事業環境停滞の影響を受けて今後の売上増、利益確保が困難と判断した」としており、すでに今年12月下旬までに清算を結了させるための作業に入っているという。 ただし、同社では「子会社の解散に伴う清算損失見込み額は約5000万円だが、固定資産の売却損の金額が当初予想よりも下回るため吸収可能な見込み」としている。 子会社の解散について、日本ロジテムでは「当初は解散する計画ではなかった」(上席執行役員社長室長)というが、売上高の低迷などを理由に「取締役会でこのまま事業を継続していくことは難しいと判断した結果」としている。 だが、同社の関係者からは「売上減だけでなく上層部による不正経理もあり、いずれ近いうちに倒産(解散)すると思っていた」など、同じく子会社のロジテムインターナショナル鰍ナ、今年2月に発覚した4億5000万円もの巨額不正経理事件(既報)と類似する事態に陥っていたと指摘する声も聞かれている。 これについて、日本ロジテムでは「(セイモス社では)不正経理などは一切なかった」(同)と強く否定しており、あくまでも「当社以外の株主とも相談した結果、解散した方がよいとの結論に至ったため」と説明している。 また、日本ロジテム本体でも数カ月に及ぶ連続勤務や無給残業などが依然として続けられているとして、今なお従業員などから労働環境の劣悪さが叫ばれているが、これについても同社では「早急に改善が必要な点については、すでに対処している」(同)としている。 子会社のネガティブな話題が相次いでいることで、従業員だけでなく同業他社からもこのところ、同社を賞賛する声はめっきり聞かれなくなってきている。今回の決議についても残念ながら、親会社の信頼性をさらに低めることになりそうだ。 <<<Back Next>>>