■第101号 2007年 1月22日


助手席のテレビやカーテン設置トラック集中摘発へ〜

「助手席のテレビやカーテン設置トラック集中摘発へ〜大阪府警、死亡事故多発で乗車積載方法違反を適用」
助手席の部分に家庭用テレビや遮光カーテンなどを取り付けた大型トラックによる死亡事故が、このところ大阪府内で相次いで発生しており、事態を重く見た大阪府警はこのほど、全国で初めてこうした行為について道路交通法違反(乗車積載方法違反)容疑で、集中摘発に乗り出す方針を固めた。こうした車両は従来、現行の法律や規則では取り締まることができないとされてきたが、警察庁が昨年末、運転者の視界を妨げる積載を禁じた同法の規定を適用することが可能とする判断を示したことから、対処が可能となった。

 道交法では「車両の運転者は、運転者の視野やハンドル操作などを妨げるような乗車をさせ、または積載をして車両を運転してはならない」(55条2項)と規定している。これまでは実務上、同項はトラックなどの荷台部分に人を乗せての走行や、自転車の2人乗りなどに適用されてきたが、同庁は深刻な実情を重視。昨年末に家財道具やカーテン類も同項の積載物に該当すると、新たな判断を示した。

 大阪府警によると、同府内では昨年1月〜11月に大型トラックによる死亡事故が23件発生しており、このうち15件が左折時の巻き込みや左前部の追突が原因だった。さらに、このうちの8件についてはトラックの助手席にテレビや小物置き用のラックなどが設置されていたり、窓に遮光カーテンが取り付けられていたりして、助手席側の視界が遮断されていた。

 こうした事態を受け、同府警は昨年12月中に2日間、府内の計12カ所で走行中のトラックについて実態調査を実施。その結果、3000台中496台の助手席の窓がカーテン類で半分以上ふさがれており、テレビやラックなどが置かれた車両も約40台いたことを確認した。中には20インチの液晶テレビを設置していたトラックもあったという。

しかし、これまでは取り締まりの根拠となる法令がなかったことから、同府警は警察庁に対して「このまま放置することはできない」として、摘発可能な措置を求めていた。これを受けた同庁は昨年末、乗車積載方法違反の適用が可能との判断を示した。

 同府警は「大阪府内で事故を起こしたトラックの半分以上は他府県ナンバーの車両。各都道府県の警察と連携を取りながら、一律の取り締まりを実施して危険な車内改造を撲滅したい」としている。また、運送事業者の運行管理者などに対しても、是正指導に乗り出す方針を示している。

 同項に違反した場合、運転者は反則金7000円などの行政処分が科される。



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