■広島大医学部の研究グループが警鐘
衝突被害軽減ブレーキ 居眠り運転で効果なし
広島大医学部の研究グループはこのほど、事故データの分析結果をもとに「大型トラックに衝突被害軽減ブレーキ(AEBS)を搭載していても、ドライバーが居眠りをしていれば効果は乏しいとみられる」と発表した。2024年4月からトラックドライバーの労働時間規制が始まり、大型トラックは高速道路の制限速度が時速80キロから90キロに引き上げられたが、居眠り運転対策を講じないと、重大事故が増えるおそれがあると指摘している。
同学部の塩見利明客員教授らは、2016年4月〜2023年3月の大型トラックによる事故のうち、人身物損の合計金額(事故損害金額)が確定した563件を対象に、AEBS搭載トラックの事故と搭載していないトラックの事故ごとに、居眠り運転とそれ以外のケースでの事故率を調べた。
その結果、居眠り運転でない場合は、AEBS搭載トラックの事故率は1・20%で、非搭載の事故率(1・56%)より有意に低かったものの、居眠り運転だった場合では、AEBSを搭載(続きは本紙をご覧ください)